金沢カレー、地元は正直「どっちでもいい」。ゴーゴーもチャンカレも普通に行く話
金沢カレーの話になると、県外の人はよく「ゴーゴーカレー派?チャンピオンカレー派?」と聞いてくる。食べ比べて、どっちが上か決めたい感じ。
でも、地元で普通に暮らしてる人間の本音を言うと——正直、どっちでもいい。
これ、冷めてるわけじゃなくて、両方とも生活の中に普通にあるから、わざわざ順位をつける発想がない、という感覚だ。ゴーゴーカレーも普通に行くし、チャンピオンカレー(地元では「チャンカレ」)も普通に行く。近いほうに、なんとなく入る。それだけ。
この記事では、その「地元のゆるい距離感」も含めて、金沢カレーのリアルを書いてみたい。
そもそも「金沢カレー」って何なのか
まず基本から。金沢カレーには、はっきりした特徴がある。
- ルーが濃い茶色でドロっと濃厚。サラサラの欧風カレーとは別物
- ごはんの上にルーがかかって、その上にカツがのっている
- カツには最初からソースがかかっている
- 添え物は千切りキャベツ
- 皿がステンレスの銀色で、フォーク(先割れスプーン)で食べる
このスタイルの「元祖」とされているのが、実はゴーゴーカレーじゃなくてチャンピオンカレーのほう。もともとは1960年代に、今の野々市市あたりで生まれたと言われている。金沢カレーの原型を作ったのはこっち、というのは地元だと割と知られた話だ。
一方のゴーゴーカレーは、その金沢カレーのスタイルを2000年代に東京・新宿へ持って行って、一気に全国区にした。だから「有名にしたのはゴーゴー、元祖はチャンカレ」という関係になる。
ゴーゴーもチャンカレも、地元は普通に行く
ここ、勘違いされがちなんだけど、「地元民はゴーゴーカレーに行かない」なんてことは全然ない。普通に行く。私の家の近くにもゴーゴーカレーはあるし、地元の人にとってもごく身近な選択肢だ。
味の好みで言えば、私はどちらかというとゴーゴーカレーのほうがちょっと好きかもしれない。周りに聞いても「まあゴーゴーのほうが好きかな」という人はそこそこいる。
じゃあみんなゴーゴーばっかり行くのかというと、そうでもない。「好きだけど、そんなに毎回わざわざは行かない」。この“こだわらなさ”が、たぶん地元のいちばんリアルなところだ。日本一有名だろうが元祖だろうが、地元にとってはどっちも「近所のカレー屋」でしかないので、その日の気分と距離で決まる。
私がチャンカレに行くのは、野々市が近いから
そんな私が、実際にはチャンカレによく行く。理由はシンプルで、私がほぼ野々市に住んでいて、チャンピオンカレーの本店が近いから。
チャンカレの本店は、金沢工業大学のすぐ近くにある。だから昼どきは、金工大の学生、近くで働いてる地元の人、そして観光でわざわざ来た人が入り混じっていて、いつも結構賑わっている。「元祖の本店」というだけあって、地元でもちゃんと流行っているお店だ。
味も気に入っている。濃厚でこってりした金沢カレーらしいルーは、毎日食べるにはちょっと重いけど、「今日はガッツリいきたい」という日にちょうどハマる。カツのソースとキャベツを一緒にかき込む感じは、他のカレーでは代わりがきかない。
ターバン、アルバ……他にもある金沢カレー
金沢カレーの店は、ゴーゴーとチャンカレだけじゃない。ターバンカレーやカレーのアルバなど、地元にはいくつもチェーンがある。
ここは完全に好みの話なので軽く受け取ってほしいんだけど、私の舌だと、ターバンやアルバは正直ちょっと物足りなく感じる。悪いという意味じゃなくて、「自分がまた行きたくなるのはチャンカレかゴーゴーかな」というくらいの温度感だ。
おもしろいのは、昔はアルバのカレーを「これ美味しいな」と思っていた時期もあったこと。それが最近はそこまで刺さらなくなった。店の味が変わったのか、私の味覚のほうが変わったのか、たぶん後者な気もする。歳とともに好みって地味に動くもんだな、と自分でも思う。
こういうのも、食べ比べたことのある地元の人間じゃないと書けない部分だと思う。結局、金沢カレーと一口に言っても店ごとに味は違うし、その中で「自分の定番」が決まっていく感じだ。
【地元の食べ方】チャンカレにはマヨネーズをかける
ひとつ、個人的なおすすめの食べ方を紹介したい。私はチャンピオンカレーを食べるとき、マヨネーズをかける。
「え、カレーにマヨ?」と思うかもしれないけど、これが結構うまい。濃厚でスパイシーなルーに、マヨのまろやかさとコクが加わって、味がひとまわり優しくなる。カツともよく合う。だまされたと思って一度やってみてほしい。こういうのは有名グルメサイトには載っていない、地元で勝手にやってる食べ方だ。
最近、地味に困っていること:値上がり
正直な話をもうひとつ。最近、金沢カレーもじわじわ値上がりしていて、ちょっと困っている。
昔の感覚で「サッとカレーでも」と思って入ると、あれ、こんなにしたっけ、となる。物価高の波はご当地グルメにも普通に来ていて、気軽な一杯だったカレーが、少しずつ「たまのごちそう」寄りになりつつある。これも今の金沢の、わりとリアルな生活実感だ。
まとめ:地元はランキングにしていない
金沢カレーは、県外の人からするとゴーゴー vs チャンカレの“対決”に見えるみたいだけど、地元の感覚はもっとゆるい。どっちも普通に行くし、正直どっちでもいい。近いほうに、その日の気分で入るだけ。
もし金沢に来て両方食べる機会があったら、勝ち負けを決めようとせずに「へえ、どっちもうまいな」くらいで食べてもらえたら、いちばん地元の感覚に近いと思う。ついでにチャンカレではマヨネーズも試してみてほしい。
このサイトでは、これからもこういう「観光ガイドには載らない、金沢で普通に暮らしてる人間のリアル」を正直に書いていきたい。たとえば地元の人間が本当にどこで買い物してるか、なんて話も書いている。